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絵画資料

園部藩関連

 江戸時代、現在の南丹市域の大部分は園部藩でした。
園部藩は、元和5(1619)年に但馬国出石藩主であった小出吉親が丹波国船井郡一帯を中心とした約3万石の地に転封となったことで成立しました。以後、藩主は小出氏がつとめ、明治期の廃藩置県まで約250年間にわたって存続しました。当館には、園部藩や藩主小出氏に関するものを多数収蔵しています。

小出吉親像

小出吉親像

 天正18年(1590)生まれ、寛文8年(1668)3月11日没。 初代藩主で在任期間は元和5年(1619)8月5日から寛文7年(1667)6月9日。 初代藩主として陣屋の築造と町場の整備を行い、藩の基礎を築いた。戒名は福源院松渓玄秀で肖像画の作者は狩野探幽、着賛 は外伝宗左である。

  

園部藩参勤交代行列図

園部藩参勤交代行列図

 明治三七年(1904)に作成されたものであるが、嘉永年間(1848~1854)の園部藩参勤交代行列を示している。 行列図には「徒士」「挟箱」「荷篭」「御草履」など他の藩でも見られるような役割が描かれている。  園部藩主小出氏の「亀甲に小の字紋」や「丸の内に額紋」が多くの道具類(「挟箱」「篭」など)に描かれていることは 注目に値する。

   

  • 園部藩城郭之図
  • 丹波国船井・桑田・何鹿郡領主別色分図
  • 三崇社祭礼等図
  • 丹州保津川運上所絵図面
  • 園部公園平面図
  • 丹波名勝瑠璃渓
丹波州之図

丹波州之図

 丹波国六郡に所在する村々を郡ごとに色分けし、楕円形の枠内に村名を記す。村ごとに○・△・□の記号を付しているが、これは園部・亀山・篠山藩領であることを示している。また、道は赤色、川は水色で描く。絵図表には明和五年(1768)に書写したこと、絵図裏には正保四年(1647)の丹波国六郡の石高などを記すが、村落の領主関係から、制作年頃の状況を描いていると考えられよう。

主図合結記[小出文庫]

主図合結記[小出文庫]

  諸国に所在する城と城主を集成し、図化したもの。主図合結記の諸本は全国各地に伝来しているが、小出文庫のものは、元・享・利・貞の四巻で構成されている。収納箱の蓋裏には「享保11丙午歳写之 南條幽栖広金」と記した紙が添付されており、その時の成立と考えられる。丹波国では福知山・篠山・亀山の各城が収録されているが、園部については陣屋であるため描かれていない。

  

嵐山名所図絵附保津川くだり

 嵐山・愛宕の名所および保津川下りを紹介したもので、昭和したもので、昭和5年(1930)に発行されています。画面中央より嵐山周辺の名所がパノラマで広がっていますが、東方面には富士山も小さく描かれています。この地図を描いた絵師は吉田初三郎で、独特の鳥瞰図を用いる手法は観光パンフレットなどで大変な人間がありました。なお、裏には名所の紹介文があります。

   

丹波名勝琉璃渓

 昭和8年(1933)に琉璃渓保勝会が作成したるり渓の観光パンフレットです。画面の左端には園部駅があり、右に向かってるり渓方面へと鳥瞰図で描かれた風景が展開しています。裏にはるり渓の紹介文とともに、貸切自動車や旅館の案内などが記されており、一日往復三便の乗合自動車も定期運行していたようです。